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内田暁さん、プロテニスとメディアの最前線を語る(ラジオより)

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昨日のTBSラジオ荻上チキ・Session」
メインセッションは内田暁さんがゲストで、プロテニス最前線!
いまのプロテニスでは何が起こっているのかを語っていただく企画。
radikoのタイムフリーで聴き直しながら自分用に備忘録を書き起こしておきます📝
ちなみに、放送後一週間以内ならradikoで聴けますよ📻

 

内田さんは会場の近くのウィークリーアパートに滞在(歩いて15分)
このご時世なので公共交通機関を使わないという意味でも徒歩圏にした。
ローランギャロス、パリの中心部から電車で30分くらいの緑豊かな郊外。

 

コロナ禍で取材風景が変わった点は?
取材で海外に行くハードルが高くなった。
出国・入国でのPCR検査、陰性証明書、アプリで体調を報告(これは自己申告)
以前は会場内で選手や関係者に話しかけることもできたが・・・
そのあたりは大会によって厳しかったり緩かったりの違いがある。
全仏に関しては、7~8か月前に比べるとピリピリした感じは和らいだ。

 

囲み取材がやり難くなったか?
テニスは基本的に会見システムで囲み取材は無い。
世界中から選手やメディアが来るので個別対応は収集がつかなくなる。

 

大坂選手の会見拒否からのあれこれに関する話題。
大会の始まったころはその話題も多く、我々に何ができるかといった話もあった…。
メディア側のミーティングもあり、大会側や選手側に要望を伝えることもある。
いまは大会が大詰めなので、大坂選手の事よりも試合の報道が主流になっている。

 

4大大会には運営にかかわる組織がたくさんあって複雑で、全仏もITF、ATP、WTA、フランステニス協会などがあるので、どこが窓口で主導権をもって、会見の問題を議論してゆくかとなると難しが、大坂選手の件は問題提起のきっかけにはなったと思う。

 

これまでのテニス大会の記者会見の流れは?
参戦選手はメディアから会見をリクエストされる。
勝った場合だけか、勝っても負けても受けるかのリクエストの仕方がある。
会見時間の試合後30分については柔軟に対応、平均すると1時間後くらいか。
シャワー、着替え、クールダウン、栄養補給、マッサージなどの時間を考慮。
単複出ている選手は両方の試合が終わってからということもある。

 

記者会見で同じようなことを何度も聞かれる?試合も見ずに質問される?
選手はライティングプレスの記者会見以外にも、テレビやラジオなどのインタビューノルマもあり、決勝まで残るような選手は1大会で20回くらいインタビューされることがある。
そうなると、1大会の中で、何度も同じ質問をされることがある。
(例えばテレビが押さえたいポイントは各局一緒だったりとか)
メディア側も他の試合も並行して取材しているため、インタビューする選手の試合を最初から最後まで見ていないこともある。自国の選手の試合を観ていて、フェデラーナダルのインタビューが始まるとなればそちらへ飛んで行ったりとか…。
それによって、試合内容をちゃんと見れない上での質問も出てくる。

 

女子テニスの扱いに対する歴史の影響は?(賞金の差など)
キング夫人のWTA設立の話から、当時の男女同時開催では男子の賞金が10倍くらいだった。
賞金やメディア露出などのプロモーションの扱いを同等にしてもらえないのでWTAツアーを作った。
オリジナル9(9選手)最初の契約金が1ドルの話題(キング夫人の映画でもやっていたな)
金額よりも理念や信念という意気込みで1ドルを掲げたという話題。
WTAの成り立ち自体が社会問題や女性の地位向上と不可分である。
最近では出産後の復帰に関するサポートなども積極的に発信している。

 

ナダル vs ジョコビッチ(リスナーより)
内田さんが注目していいる選手は?
ナダルがクレーでは圧倒的に強い。この大会の申し子。2回しか負けていない。
特に全仏に来ると、前哨戦で負けていても、とたんに強くなる。
ナダルとジョコの対戦は当然ながら注目されるが、チチパスとズべレフにも注目。
チチパスとズべレフはロシア系で、母親は旧ソビエトで優秀なテニス選手~海外でコーチへ。
シャポバロフもそうで、母から旧ソ連式の厳しい(基本に忠実な)トレーニングを受けてきたそうな。
お母さんはすごく優しいのだけど、コートに入ると「遊びじゃないんだから真面目に打て!」鬼…?
そういう潮流が旧ソビエト系の血を引く若手が強くなっているのではないか。

 

西岡やダニエルや国枝選手について(リスナーより)
ロシア系の話も踏まえながら、日本のテニス環境は?環境が優れている国は?
選手は年に30週以上は海外を転戦している。主戦場はヨーロッパと北米。
世界を転戦する日本選手は地理的に不利、ヨーロッパや北米に比べると下部大会が少ない。
グランドスラムが身近な国の協会の資金力も外国に比べると少ないので強化体制には差がある。
勝ってポイントを上げてお金が入ってくるポジティブサイクルに入るまでが大変。
日本人は海外の選手と対戦する機会が少ないと、いきなり外に出て行っても対応に苦慮する。
地理的な壁や言語の壁で日本選手がランキングを上げてゆくのは厳しい面もある。
最近は日本の選手も海外を拠点に練習やトレーニングをしている人もいる。
コーチや練習相手とのマッチングなど、出会いを広げる能力も求められる。

 

30分以上語ってくださいました。勉強になりました!<(_ _)>

 

 

下部大会を回る選手の大変さは、井山さんが関口周一プロを取材して書いた本も面白いですよ(^_^)/


 

 


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