オーストラリアンオープンシングルス2回戦、世界一の
フェデラーに対して、果敢に自分のテニスを貫いた姿勢は立派だと思います。プロに対して、負けた試合を褒めるのも失礼かと思いますが、試合には負けたけど勇気を出して自分に勝てたゲームだったのではないでしょうか?
現地特派員!?ミスターYの観戦リポートによると…
フェデラー戦、観戦してきました。
結果は残念でしたが、非常に熱い試合でした。
抜かれても抜かれてもネットに詰める貴男には
涙しそうになりました。またセットに1、2回
やってくる要所を完全に支配するフェデラーの
すごさにも感動しました。
続きはまた新宿の居酒屋ででも・・・w
いま、
インナーゲームという本を読み返していまして、その中にこんな一文がありました。
…テニスでは、競争が、協調なのだ。待っていてもコートに波はやってこない(前の文章でサーファーが大きな波と対峙することにより自分のピークを確認できると書いている)。可能な限り、互いに対戦相手の「大きな波」(障害)となることが、プレーヤー同士の義務ですらある。それによって初めて、双方がそれぞれの能力の上限を発見する機会を与え合う事ができる。そこで、私は驚くべき結論に達したのだった。真の競争は、真の協力と等式で結ばれるのだ、と。…
ある意味、世界最高峰のプレーに接して、貴男選手も素晴らしいパフォーマンスを出せたのではないでしょうか(それでも要所を1ブレークで勝ってしまう
フェデラーは凄い!)。負けは残念ですが、今後のプレーに期待できる敗戦でなかったかと思います。ダブルスは勝ち残っているようですから、期待しましょう!
日本テニス協会のメルマガでは、こんな記事が書かれていました。
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◇ 鈴木貴男のネットプレーが観客を酔わせ、王者フェデラーをたじろがせた ◇
広報委員・フリーライター 秋山 英宏
[男子シングルス2回戦](19日ナイトセッション)
○ロジャー・フェデラー(スイス) 6-3,6-4,6-4 ●鈴木貴男
●ロッド・レーバーアリーナの正面入り口には、その日のナイトセッションに出場する選手の大きな写真が掲げられる。この日、メルボルンパークを訪れた観客を迎えたのはロジャー・フェデラーと鈴木貴男の写真だった。予選を突破し、本戦1回戦ではジャンマイケル・ギャンビルを下した鈴木。2回戦の相手は、世界ランク1位、22連勝中の王者だった。
●試合開始後2分で、スタジアムの観客は鈴木がどういう選手であるかを理解した。フェデラーのサービスで始まったこの試合。最初のポイントから鈴木はネットで勝負を挑んだ。レシーブからのネットアプローチが2回、3回と増え、そのたびに観客のどよめきが大きくなった。もちろん、サービスゲームでは徹底したサーブ&ボレー。入れ込みすぎなのか、立ち上がりは力みも見られたが、すぐにいつもの鈴木のサービスゲームに戻った。
●サービスキープはある程度計算できる。あとはリターンゲームでどれだけポイントが取れるか。鈴木の生命線は、スライスでカットして素早くネットにつくチップ&チャージだった。その攻撃がフェデラーのバランスを崩した。もちろん、コースが甘くなり、パスの餌食になる場面もあった。肝心なのは鈴木が徹底徹尾そのプレーにこだわったことだ。
●鈴木のネットアプローチには、さすがにフェデラーも戸惑ったか、序盤は対応が遅れる場面が目立った。相手の攻撃にあたふたするフェデラーなど、なかなか見られるものではない。観客は鈴木のネットプレーに大喝采を送った。オーストラリアの観客はあるいはパトリック・ラフターの姿をダブらせていたのかもしれない。いずれにしても、今では“絶滅”の危機にあるクラシカルなプレースタイルが彼らの心の扉を叩いたのだ。王者フェデラーが予選上がりの選手をあっさり下すシーンを想像していたファンは、掘り出し物を見つけたような気分でこの試合を楽しんだに違いない。
●序盤の流れを左右したのは、第6ゲームだった。ダブルフォールトで0-15、次のポイントは鈴木がステイバックしてストロークをミスし、0-30となる。鈴木は時速210キロのエースなどで食い下がったが、フェデラーが素晴らしく速いフォアハンドのパスを放ち、ブレークに成功する。「カモン!」。フェデラーの叫びがスタジアムにこだました。序盤とはいえ、この相手を乗せたらえらいことになる、そう感じたフェデラーがギアを1段上げたのだ。
●第2セットにも同じような場面があった。4-4で迎えた鈴木のサービスゲーム。フェデラーは15-40とブレークポイントを握った。ここで鈴木はキレのいいドロップボレーを放つ。フェデラーは俊敏な動きでこれを拾い、ネットポールの外側から、地面を這うようなボールを鈴木のコートに打ち込んだ。パスというより、アイスホッケーのシュートのようだった。これでフェデラーの5-4。スーパーショットでブレークに成功したフェデラーが主導権を握り、そのまま第2セットをものにした。
●第3セットは中盤から鈴木の体のキレが落ちてきた。それでも必死にサービスをキープする鈴木。観客の声援もそれを後押しした。4-4まではスコアが並行していたが、第9ゲームで鈴木が力尽きたようにサービスダウン。最後はフェデラーがラブゲームでサービスを守り、6-4で押し切った。
●観客は一斉に立ち上がり、両選手に拍手を送る。声援に日本式のお辞儀で応える鈴木。観客席からの拍手と口笛がひときわ大きくなった。最後にもう一度お辞儀をして、挑戦者はコートを去った。勝利者インタビューのためにコートに現れたジム・クーリエは「これまでセンターコートで行われた中で一番の試合だった」とフェデラーに語りかけた。
●予選決勝や1回戦のように、執拗なネットラッシュで相手を困惑させ翻弄するようなプレーができれば、フェデラーからでもセットが取れる、勝機があると思われた。鈴木のネットアプローチは計96回を数え、フェデラーにも困惑は見て取れた。しかし、それで終わらないところがさすがは王者フェデラーだった。鈴木は「彼も(サーブ&ボレーやチップ&チャージを)嫌がってくれたと思う。ところどころ混乱したこともあったと思うが、彼はそれに対する対応が早く、一度はうまくいっても次は頭を整理してきた。だから彼は強いんだと思う」と脱帽した。
●それでも、鈴木のパフォーマンスは間違いなく観客を酔わせ、楽しませた。そして、この試合が鈴木貴男という選手のレベルを一段引き上げたことは疑いない。
「テニス人生の中で大きな1ページになった。それを活用するためにも、少しで
も長く世界で戦いたいと思う。これを大事な1ページにしたい」。
力を出し尽くした鈴木が、堂々と会見場を後にした。
日本テニス協会「Tennis Fan」より転載
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鈴木貴男オフシャルホームページ
http://www.suzukitakao.jp/top.html
オーストラリアンオープン公式サイト
http://www.australianopen.com/
鈴木貴男 センター・コートを舞う。
http://tennisjp.cocolog-nifty.com/tennis/2005/01/post_14.html
スイス・ジャーマンのTV局(SF DRS)より
試合の映像(ダイジェスト)
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Rogi オタ ワールド! blog さんからの情報です